First Creation: 2005/01/11
Last Update: 2006/01/07
最近、バイオリズムが低迷している気がしてならない。不運が続いている。
22:00ころ Winamp で音楽を聴いていたところ、「ドンドンドンドン」という音が聞こえてきた。どういうわけか私の部屋は、たまにポルターガイストが起こるらしいのだ。今回は音楽を再生した途端に一方向の壁が鳴ったたわけで、私はこの時始めて「隣人に抗議されているのではないか?」ということに思い至ったのである。
思い返せば 5.1ch スピーカー・システムを購入した約一月前から呪われた気がする。これまではずいぶん落ちつきのない隣人だと思っていたのだが、10数回目にしてようやく気づいたわけだ。
自身の名誉のために言っておくが、大音量で音楽を聴いたことはない。たとえ聴いていたところで、この部屋は鉄筋作りだ。上下左右から生活音が聞こえてくるということはまずないのである。それでも疑り深い読者のために、具体的に、どのくらいの音量を出しているか書いてみよう。
DENON の DHT-M330 で、MAX 60 まで出力できるところを、いつも 20 で聴いている。映画を観るときは 30 にしたりもするが、この程度であれば、普通にテレビをかけている時と同じか、やや大きいくらいの音量だ。なお、音源ボードは ONKYO の SE-150PCI で、出力は PCM SPDIF で、MASTER、WAVE 等すべて MAX に設定してある。
だが、テレビを今まで以上の音量でかけていた時だってポルターガイストが起こったことはなかったのだが。音量ではなく内容の問題なのだろうか? 今度越してきた隣人は、倉木麻衣のアルバムはお気に召さないのか? しかし名探偵コナンなら OK なのか?
私の勘が囁いた。「それはない」
ここが、私と他の人間とが一線を画するところだ。勘が鋭いのである。その証拠に隣人のプロファイリングをしてみせようではないか。今時ポルターガイストなどという幼稚な抗議方法からして大学生だ。それも短気な男だろう。音楽には理解がない。つまり粗野だ。夜は早く寝たいに違いない。必然的に朝が早い。大学生が 1限目から講義を受けるということはあり得ないから、朝早くから働いているに違いない。そう、新聞配達だ・・・と普通の人間なら考える。甘い。粗野で短気な男に新聞配達は勤まらない。粗野な男にも勤まり、なおかつ大学生でも雇ってくれる夜明けの職業と言えば限られてくる。そう、キャバクラ嬢の運転手だ。
「間違いない」(長井秀和調で)
後日談だが隣人は女性だった。「ああ探偵事務所」に影響されすぎたようだ。
さて、隣人の正体が分かったところで、私はある仮説を立てた。スーパーウーファーの低音が響いているのではないか。5.1chシステムを購入するまで、わが家にはスーパーウーファーがなかった。スピーカーを部屋の四方に配置し、スーパーウーファーを置いて 5.1chシステムを組み上げ、「これが SW か、すごい低音だなあ」と喜んでいたのだが、重低音は低出力でも鉄筋コンクリートを透過して隣まで聞こえていたらしい。
私は相対主義者だ。恩は返すし、やられたら倍くらいにしてやり返す。しかし被害妄想の毛のある隣人に同じことをやり返すというのではあまりにも大人気ないではないか。確かに売られた喧嘩がどこまでエスカレートするのか試してみたい誘惑にはかられるが、めんどうだと思う気持ちもある。ではどうするか。妥協点を探すのだ。
とは言うものの、スーパーウーファーのケーブルを抜くという選択肢は存在しない。それでは何のための .1ch(ポイントワン)か分からない。普通の 2WAYスピーカーを買えという話だ。ならば今より音量を低くするとどうなるだろう? まるでヘッドホンから漏れてくる音のようだ。臨場感も何もあったものではない。というかスピーカーから少し離れたソファに座ると聞こえなくなる。この案は却下だ。
サラウンドの設定を変えてみようか。現在の出力方式が「5ch STEREO」になっている。「STEREO」「Direct」いろいろ試したが、「HALL」が SW の出力が弱かった。よさそうだ。しかし音の聞こえ方がかなり独特である。音が回り込んでくる感じだ。コンサートホールで音楽を聴いている気分になる。なかなかおもしろくはあるので、しばらくこれで聴いてみることにした。低音が弱くなった分、音量は少し高めで聴く。ポルターガイストが騒ぎ始たらお祓いしようと決意して。
その後ポルターガイストは起こらない。