First Creation: 2004/08/08
Last Update: 2006/07/28
夏。さらば、めくるめく激しき夏の光よ。
お盆間近。海には水母が溢れ出す直前といったところだ。というわけで、最後の夏を堪能するために、バーベキューをすることになった。
祭りの前には買い物がかかせない。バーベキューセット一式。日よけ。イス。その他雑貨。食料品。たかが一回のバーベキューに何故こんな金を掛けなければならないのか。秋に芋煮会くらいはやらないと元が取れない。
私が負担するのは、日よけとイスである。日よけはレイ・ウィング、もしくはタープと呼ばれるもので、イスはベンチ型の細長いものを購入した。キャンプ用品は高い。合わせて 15K 程になった。
食材を買って帰ると、18時を回っていた。これから飲み会である・・・
待ち合わせ場所に行くとすでに三人で飲んでいた。その中に予想だにしなかった珍しい顔があった。涙なしには語れない諸事情のために、現在は別部署で働くことになった元上司である。
男同士の飲み会はなかなか楽しい。バカ話に華が咲く。たまにはこうでなくては。
会合は大いに盛り上がり、家に帰ったのが 1時過ぎ。そこから野菜を 2時間かけて洗い、刻んだのである・・・
朝起きて海に Go。急遽飛び入りで女性が一人参加。私たちは第一陣組として、最初キャンプ場に向かったが、変化がなくてつまらない。気の向くまま場所を変更して近くの海浜へ。
中途半端に波が荒くていいカンジ。砂は熱くてサンダルなくしては歩けない。まさに、うみー。
本拠地設置のためにタープを組み立てようとしたところ、風が強くて立てられない。砂地にペグを打ち込んでも風で抜けてしまうのである。2本、すっぽ抜けて飛んで行った。危ねー…… なにしろ、タープが風でたなびき、一人で支柱をささえるのが困難だ。全体重をかけて押さえていたらポールが曲がっていたし。もうあきらめた。7K が無駄になった瞬間である。
後で調べたところによると、ペグを多めに買っておいて、2本をクロスさせて地中に埋め込む方法もあったらしいが時すでに遅し。
次にバーベキューセットを組み立てた。本当に適当だ。オレのじゃないし。組み立て終わったところで、細い炭をキャンプファイヤーのように組んでいった。着火材を忘れてしまったため、砂浜に落ちていた木片で代用。火種はタープを入れていたケースである。風が強いので点かないかな、と思ったが、なんの、すぐに炭まで引火した。以前のキャンプでは 2時間もかけてようやく着火した経緯があったので、名誉返上 ( 汚名挽回って書いてしまってショック ) である。風が強いほど引火しやすいのかもしれない。
あとは他の連中が到着するまでのんびりと泳ぐだけである。遊泳禁止の標識も、仲間内で水着を着ているのが私一人であろうとも、気にしないのである。
いきなり高波が来てメガネを持っていかれた。
「メガネ返せっ!」
さらに高波。抵抗したらビーサンが壊れた・・・ 波の力はとても強い。すごいぞ、海。お前が強いのは分かったからメガネは返せ。
怒りのあまり、襲い掛かる波にフライングボディーアタック。「びたん!」 とても痛い・・・ 映画を観ながら、はるか上空から「海に落ちても助かるだろう、どうせ」なんて想像していた私だが、水面がコンクリ並に硬いという事実を実感させられた。せめて苦しまずに死ぬことを願うばかりだ。
どうしてもメガネが見つからないので一旦本拠地に戻って水中眼鏡を装備した。度入りである。ダッシュで戻って素潜りしてみたが、透明度は著しく悪く、砂漠でダイヤを見つける方が簡単と思われる。しょうがないので泳いで遊んだ。これで楽しまなければ損、というか何しに来たのか分からない。メガネとビーサンの計 30K円分は楽しまないと・・・
そうこうしているうちに第二陣が到着。ついにバーベキュー大会となった。
肉を焼く。肉、肉、肉・・・思い出したかのように野菜・・・クアーズを飲む私・・・肉を食べる。クアーズ。泳ぐ。クアーズ・・・野菜を食えよ。すげー余ってるだろうが。2時間もかけたんだぞ。とかいいつついつまでたっても減らない食料。根本的な問題を発見した。どうやら食料品を買いすぎたようだ・・・8人ほどいたが、16人でも余裕な程だ。
肩や背中が真っ赤に焼けた頃、帰宅である。振り向きざまに挨拶。
「来年は新しいメガネを持ってくるからな」
二台の車に分かれて帰る途中、同乗していた女性が、信号待ちをしているもう一台にふざけて中指を突きたててみせた。信号が青に変わったとき、後ろの車がやたら車間距離をとっていたのには笑ってしまった。車 10台分。明らかに警戒している。こっちの車の後ろだけではなく、向こうの車の後ろも車間距離を取っていた。どうやら危ない連中と思われたらしい。君子危うきに近寄らずというところか。けだし名言。
自宅に帰って、なぜかカラオケになだれ込んで、一日が終わった。
祭りの代償は、お気に入りのメガネとビーチサンダルと、余った食料。そして重度の火傷に匹敵する日焼けだった。それを抜きにすれば、とても楽しめた一日だったな、うん。